【原料から紐解く】代替肉の今【2021年時点】

代替肉の原料についてまとめました。

✔︎ 代替肉って何からできてるの?

こんな疑問にお応えします。あなたがこの記事をよむと、代替肉の原料がわかります。

2020年から至る所で目にしたり、耳にした入りしている方も多いはず。牛、豚、鶏についで、第4の食肉といわれているのが「代替肉」です。

代替肉が期待されている理由は大きく2つ

・地球規模での人口増加に伴う食糧問題の解決
・環境負荷がより少ないタンパク質の生産

SDGsの考え方にもつながるところがあり、世界中で注目されるとともに、研究、開発、商品化が進められています。

関連記事:【代替肉とは?】気になる栄養、健康、価格への影響

この代替肉は大きく3つに分類できます。

・植物由来の代替肉(今回は植物肉とします)
・培養肉
・昆虫食

日本で割と商品化されたり、身近な存在になってきているのは植物由来の代替肉ですね。スーパーでも結構並んでたりします。

本記事では、この3つの原料について解説しながら、代替肉について理解を深めていきます。

植物肉の原料

日本で商品化されている多くの代替肉製品は、この植物肉になります。

■植物肉に多く使われる原料

・大豆
・えんどう豆
・ソラマメ
・小麦
・とうもろこし
・小豆

日本で多く使われているのは大豆ですね。畑の牛肉、日本では昔からいろいろな食品の原料としてつかわれています。豆腐、味噌、醤油など和食の原料として欠かせない大豆です。伝統的に摂取しているという意味でも馴染みやすい原料なのかもしれません。

一方で世界に目を向けてみると、えんどう豆を使っているメーカーが多くあったります。

アメリカの代替肉メーカーのトップに君臨する2社をみてみると、

・インポッシブルフーズ社
インポッシブルバーガーの主原料は小麦とジャガイモ

・ビヨンドミート社
ザ・ビヨンド・バーガーの主原料はえんどう豆

こんな感じで日本とは違うたんぱく源をそれぞれ主原料としています。

代替肉の中では「植物肉」の食品化や販売展開が、他のカテゴリーよりもすすんでいます。

ビジネスとして、各企業として利益が出る分野かというと、まだまだそんなことはないように思われます。

ただ、商品化した時の価格と味のバランス、食品としての安全性。ここら辺が整い始めていることから、我々、一般消費者の手が届く食品であり、またちょっと食べてみようと、関心を寄せる存在になってきていることは事実です。

ちなみに、こんな日本企業もニュースになっていました。

穀物肉ではなく植物肉!と主張するのはDAIZ社。熊本発の会社なんですね。
「大豆」ではなく「大豆の芽」を原料に代替肉をつくることで、大豆では実現できていない旨味や体内の吸収性を向上させているとか。

「深化」は日本人の得意分野ですからね!

イノベーションの技術をさらによくして発展させることで、おいしい植物肉が広がることを、いち消費者として期待しています。

DAIZ株式会社

培養肉の原料

培養肉とは、畜産肉のタンパク質を取ってきて、整った環境下で培養させ、新しく作り出される肉(タンパク質)です。

なので、培養肉の原料としては、いま食肉とされている動物そのものですね。

培養肉は、屠畜せずに家畜由来の肉を生産できることから「クリーンミート」とも呼ばれたりします。

先ほど紹介した「植物肉」は、地球にやさしいたんぱく源として注目されていることは確かですが、それでも植物を育てる農地、加工のための工業的施設とその稼働が必要になります。

プラスして、大豆やさやえんどうから精製できるタンパク源は原料の20-25%、他の原料では10%~と効率が悪いんですね。

原料を確保するためには、農地や水を増やさないといけません。そして、商品の生産量を増やすためには工場を稼働させないといけません。

CO2が大気中にとどまる期間は数千年であるとされています。原料の生産~食肉化するまでに結構なCO2を排出していることで、トータルでみると牛が排出するメタンガスより環境に影響あるんじゃないの?という指摘があったりします。

この点をカバーできるのは「培養肉の技術」です。

CO2の問題だけでなく、培養肉の技術によって、生産に使われる水が82~98パーセント、土地が90パーセント少なくできるという推計もあります。

ではなんで、スーパーに並んでいるのは培養肉じゃないのか?

培養肉の課題

培養の環境構築やその生産コストは少しお高くつくようで、、

結果として出来上がった「培養肉」の単価が上がってしまうのが現状です。消費者として、価格は必須条件ですよね。

その他にも、培養肉にはいくつかの課題があります。

・価格 →高い
・味、食感 →いまいち
・環境負荷が少ないという分析の不足(推測が多い)
・倫理的な問題(人工的な培養をOKとするか?)
・産業規模で培養する具体的方法

実用化・商品化に向けて、今もここらへんの改善研究が進められています。

培養肉は、可能性を秘めた技術の集結であることは分かっているものの、広く食卓に並ぶことを考えると、まだまだ発展途中といった感じですね。

ちなみに、別の方法として、二酸化炭素からタンパク質を精製する技術もあったりするそうです。

研究者らは、ハイドロゲノトロフ(hydrogenotrophs)という微生物が、二酸化炭素を無臭の粉末状たんぱく質に変質させることを発見した。この粉末からパスタ、シリアル、シェイクなど、あらゆる種類の食品を作ることができる。

参考:Business Insider

もともとはNASAが発見した技術だったものをフードテックに応用します。世界でいくつかのスタートアップ企業が実用化を目指しています。

昆虫食の原料

その名の通り原料は昆虫そのものです。

世界中で1900種以上の昆虫が食用として消費されていて、最も多く消費されている昆虫はこうなっています。

・甲虫(31%)
・イモムシ(18%)
・ハチ、狩ハチ及びアリ(14%)
・バッタ、イナゴ及びコオロギ(13%)

国連食糧農業機関の調査より

日本でも大正時代にはハチ、カミキリムシ、カイコなど50種類以上の昆虫が日常的に食べられていたという記録があり、いなごの佃煮など、今でも耳にしたり、テレビで見かけたりするものもありますね。

産業的に一番養殖量が多く世界の昆虫食メーカーがもっとも使用している原料が養殖コオロギになります。

欧米では、小麦粉の一部代替や次世代の食糧源として、パンやパスタ、スナック、エナジーバーなどの原料として採用されています。粉末にして加工食品の原料になっている事が多いんですね。

昆虫の形をそのまま食べるものは、多くの人にとって抵抗ありますもんね。私も、いくら環境にいいからと言って、虫をそのまま調理しようということは考えません。無理です。

なにかしら、形を変えて加工食品の原料に使うといった方法なら、まだ使ってみようという気になる…かな。これくらいが本音です。

昆虫食は代替食として、

・生産時の環境負荷が低い
・栄養価が豊富
・生産・加工がしやすい

こんなメリットがある一方で、

培養肉にもあったように、推計やこう考えられているって事が多く、まだデータ不足な部分が多いようです。

甲殻類に分類される昆虫にはアレルギー反応がある人もいまし、毒のある昆虫もいます。

どういった形で我々の生活に入り込んでくるか…ちょっと怖いけど、興味もあるそんな分野になります。

こんなところで以上になります。

2020年~日本でも代替肉のマーケット規模は大きくなっているものの、その発展はこれからが成長期!といった感じです。

消費者としていつも期待するのは、「安全、旨い、そして安い」ですよね。

2021年、代替肉カテゴリーは注目です!

では。

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