今回は、飲食店でクレームが起きてしまった時の対応方法についてご紹介します。飲食店のみならず、接客業、もっというと顧客をもつビジネスであれば、クレーム対応って必ず起こりうることです。皆さんはどんな用意をしていますか?
そもそもクレームを起こさないように営業することが第一です。
それでも完璧はありえません。私が飲食店で店長していたときも、1年に1回くらいの頻度で大きなクレームに発展させてしまった失敗経験があります。起こってしまったクレームの対応方法について見ていきましょう。
飲食店の主なクレーム内容
飲食店で起こる主なクレーム内容はこの5つに集約されると思います。
・異物混入(髪の毛、プラスチック破片、害虫)
・料理/飲み物が出てこない、時間がかかる
・汚損トラブル(ぶっかけ)
・スタッフの対応に対する意見(態度がわるい、お願いしたのに忘れてる)
・予約の不備(記入漏れ、要望の漏れ)
こうみてみると、お店側の落ち度がほとんどのような感じがしますよね。
そもそもお客様のほとんどは、飲食を楽しむために来店されるのであって、クレームを言いたくて来るわけではありません。ですのでお店の対応によって、そのお客様の期待値を下回ったときにクレームは発生します。
初期対応
クレームに対しては初期対応が大切で、最初にすべきことは「お詫び」です。
なかには、まず状況を把握してから、こちらに非があるとわかるまで謝罪しないという対応もあります。それはそれで対応の進め方があるかもしれませんが。
クレームや意見している側にとってみれば、第一声で「(不愉快な思いをさせていて)申し訳ございません。」を対応される場合と、「確認しますので、お待ちいただけますか。」とだけ言われる場合では、対応の信頼度やその先お店側の説明をきこうとする気持ちのにも、受け入れの余裕が生まれます。
本当は楽しく食事をして、会話を楽しんでいただくはずの時間に不愉快な思いをさせている現状に対しての「お詫び」は、お店側の初期対応に必須だと思っています。
二次対応
一旦謝罪することでお客様に冷静になってもらったところで、お互いが話し合い、納得できる「落としどころ」を探っていきます。
二次対応~解決 3つのシナリオ
・共感する →なぜ怒っているのか?を聞き出す
・事実確認、要望確認 →不明点を確認して原因を突き止める。
・解決策の提示 →納得していただく。
飲食店におけるクレーム対応においては、お店の全スタッフが遭遇する可能性があり、みんなが知っているべきが一次対応です。一方で二次対応は、一次対応を引継ぎ、責任者かまたはそれに代わる立場の人間が行うことが望ましいです。お客様への誠意と、提示する解決策を決定する裁量が必要です。
やってはいけない
対応中に注意する、言動です。
・「申し訳ございません。」しか言わない。
・説明を遮る
最終的には、お客様のポイントを解決しなくてはいけません。そのため誤っているだけでは、そこへたどり着けません。また解決を焦って、相手の言い分をすべて聞けないこともNGです。
主なクレームの解決策
1つずつが原因で意見をいただく場合、解決策の提案もシンプルです。すべてが同じではないですが、しっかりと状況を伺い、謝罪とともに解決策を提示することで、それなりにすんなりと解決します。
・異物混入
→作り直し、キャンセル、他のおすすめ料理の提案
・料理/飲み物が出てこない
→原因確認、優先して対応、すぐにでる料理の提案
・汚損トラブル
→代わりの衣類の用意、クリーニングについての提案、弁償が必要か
・スタッフの対応に対する意見
→担当の変更、今後の店内教育説明
・予約の不備
→代わりの席提案
解決しずらいパターン
解決しずらいクレーム
お客様が怒っている原因が複合的な場合で、それをお店側から発見して対応できなかった時です。
≪例≫ 忙しいときによくありがちな絵です。
・入店したときに誰も対応がなく、待たされた
+
・乾杯のビールがこない
+
・注文した料理が間違っている。
忙しいので、お客様に複数迷惑をかけていることも把握できなかったり、スタッフも何となくお客さんがイライラしているからそのテーブルに行きたくない。
負のスパイラルに突入している中で、お客様から意見をもらう。早く解決したいので、十分な共感ができないまま、解決策を提案することで、その場逃れ感が増す。お客様は怒って退店。
対応方法
一旦「お店のすべてのことを忘れる」しかありません。目の前のお客様との和解にすべてのリソースを使います。該当のお客様が、快適に飲食を続けられる環境を全力で整えます。
・担当の変更:簡単にできるので必須対応かと思います。
・席の変更:お客様に一時的にストレスを与えますが、その後の時間を考えるとかなり有効です。
・値引き/サービス:付加価値的に使えるとよりプラスです。
まとめ
いかがでしたか?まずは健全な店舗営業を目指すとともに、いざという時のための準備は必要です。是非参考にしてみてください。では。