問題スタッフに対して、店舗で取るべき行動手順

 

店舗で継続して問題のある従業員に対して、マネジメント側が取る行動についてマニュアル化しています。

 

✔︎ スタッフのAさんはルールが守れないことが多い。注意してるのに、しばらく経つと元に戻るし…。周りにも影響がでると困るな。とはいえ解雇するのも不安

 

こんな悩みにお応えします。あなたがこの記事をよむと、継続して問題のある従業員に対して、お店側が取る行動手順がわかります。飲食店だけではなく、他業種の店舗営業にもあてはまる内容としてみていただけると思います。また対象は社員を含むすべてのスタッフです。

 

2012年から6年弱、アメリカの和食レストランで支店長として働いていました。日本人目線ですが、アメリカのスタッフってなんかだらしない所が多いんですよね。時間に遅れてきたり、当日欠勤が多かったり。素行の問題って他のスタッフにもすぐに派生しますよね。ほかっておくとお店の秩序は大変なことになってしまいます。かと言って、対象スタッフがバイトであってもいきなり解雇することはできません。もしスタッフが泣き寝入りすれば、不当解雇で多かれ少なかれ罰則金の支払いがあったりもします。アメリカだと訴えられたりもあります。

 

 

海外での経験も踏まえながら共有します。

 

問題スタッフに対して、店舗で取るべき行動

 

 

店舗がとるべき行動概要 
①お店(マネジメント)側の姿勢を確認
②問題行動の明示
③問題行動に対する指導とその記録
④適切な指導方法
⑤定期的なスタッフ面接
⑥勧告

 

詳しく見ていきましょう。

お店(マネジメント)側の姿勢

 

「問題だと考えるスタッフの行動を改善して、きちんと働いてもらえるようになってもらう」

前提として、どんなスタッフに対しても、こういったマインドでスタートする必要があります。

このスタッフは言う事聞かない、素行が悪い。だからダメだという気持ちで行動すると、後々自分の首を締めることになりかねません。

そしてマネジメント側は常に全スタッフに対して平等である必要があります。

「店長はAさんのことが気に入っていて、Bさんのことはそうではない。」

あなたも人間なので、こんな風に思われることもあるでしょう。だからこそ、仕事においてはスタッフに平等に接することができて、同時に平等に指導ができる基準が必要になります。

お店にとって問題な行動とは?

平等に指導ができる基準を示すために、「問題な行動」を明確にしてみましょう。具体的に書き出してみます。

 

・遅刻
・当日欠勤
・就業中の飲酒、またアルコールが入った状態での勤務
・服装/みだしなみ
・ハウスルールを守る
・窃盗

 …

店舗管理側がスタッフにやられて困る行動です。あなたのお店ではどうでしょうか?一度照らし合わせてみてください。明確にできたら、面接や採用時のオリエンテーションの資料に入れて、入社段階で伝えておくことが賢明です。

業種や店舗によって、「問題である行動」という定義が異なる場合もあるかもしれません。繰り返しですが、全てのスタッフにとって平等である必要があります。

この基本的なルールは、スタッフの行動を示す元になります。企業であれば細かく定義されている就業規則があると思います。もし個人店等で就業規則を用意していない店舗があれば、簡単でもいいので一度作りこんでおく事をおすすめします。大枠を作って専門機関に相談すれば、内容と文章を整えてくれます。

問題行動に対する指導とその記録

問題行動に該当する場合、対象スタッフと時間を取って面談をします。

 

面談のポイント
・何が問題かを明確に伝える
・客観的に伝える
・これからどうして行動してほしいか伝える
・相手の話を聞く
・お互いに話した内容を記録する
・記録した内容に、スタッフの署名をもらう

 

面談の時間は、事の大きさによります。初回やたまーに起こるような場合は3-5分でもいいでしょう。常習的な場合は15分~30分時間をとってもいいかもしれません。

話をしたら、必ず内容を記録しましょう。日本では意外とやらないことですが、事が大きくなったとき、効果を発揮します。言った、言わないのくだらない争いがなくなります

書面とは、日本でよくある「顛末書」や「始末書」みたいなものです。名前がちょっと堅いと思うなら「面談シート」でいいと思います。必ず書面に残しましょう。日にち、面談に参加した人の名前も添えて、保管します。

いまだと、スマホで録音も簡単にできますね。

適切な指導方法

下記の項目を念頭におきましょう。

 

◯ スタッフに行動を改善してもらうために指導する
◯ 問題・改善をはっきりと伝える
◯ 対象スタッフとしっかり時間をとる
◯ 業務の一環として行う

 

不適切な指導
✖ 営業中・忙しい時間
✖ 他のスタッフが見ている場所での指導
✖ 怒鳴る・物にあたる

 

あなたの主観が入りすぎてしまう状況では指導しません。「スタッフに行動を改善してもらうため」という前提が崩れます。

定期的なスタッフ面接

一度の指導で改善できればいいですが、「人間だもの」、問題行動ってそんな簡単には治りませんよね。しばらく時間がたてば元通り、なんてこともざらです。

あなたが、そのスタッフを何とかしたいなら継続的なマネジメントが効果的です。月1回、4半期に1回など定期的に面談を行います。

この時も、面談内容は明確に、そして客観的にを貫きます。そして、毎回記録はちゃんと残しましょう。

勧告

あなたの適切で継続的な指導の効果もなく、改善がみられないスタッフもいるかと思います。残念ですが、何かしらの制裁を含む勧告をします。具体的には、シフトや給与の調整といった内容です。

 

対象スタッフの職務レベルによっては、シフトが減ると店舗が困るなんて場合もあります。「仕事ができるけど素行に問題がる」なんていうスタッフ、いますよねー。ここを踏み込むかどうかは、店舗のマネジメント側でしっかり認識合わせが必要だと思います。

 

また法的にホントにOKかどうかということも気になると思います。面談記録があれば、店舗側が適切なステップを踏んでいることは証明できますが、気になる方は一度付き合いのある弁護士さんへ相談されるといいと思います。

まとめ

 

問題スタッフに対して、店舗で取るべき行動マニュアル

①マネジメント側の姿勢を確認
→改善させる姿勢が前提
 
②問題行動の明示
→客観的・平等性
 
③問題行動に対する指導とその記録
→適切な指導と記録
 
④適切な指導方法
→1on1 問題と改善策、目標をはっきり伝える
 
⑤定期的なスタッフ面接
→継続したフォローアップ
 
⑥勧告
→必要に応じた労働条件の変更

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