夏のイベントといえば、多くの人々が集まり、楽しい時間を過ごす絶好の機会です。
そんなイベントに彩りを添え、来場者の満足度を高める上で、キッチンカーは欠かせない存在となっています。
しかし、夏の昼間の営業については、キッチンカー運営者の間でネガティブな印象が根強いのが現状です。
本記事では、そんな課題を乗り越え、夏の昼間のイベントでキッチンカーを効果的に活用する方法をご紹介します
イベント主催者の皆様に、キッチンカーとWin-Winの関係を築き、魅力的なイベントを作り上げるためのヒントをお届けします。
夏の昼間営業の課題
まず、キッチンカー運営者が夏の昼間営業に対して抱える懸念点を理解しましょう。
■売り上げの低下:
- 暑さによる食欲減退: 夏の暑さは食欲を減退させ、多くの人が軽い食事や冷たい飲み物を選びがちです。
- 屋外での飲食を避ける傾向: 強い日差しや高温の中での飲食は避けられがちです。屋外での食事が不快に感じられることが多いためです。
- 冷たい飲み物への需要偏重: 冷たい飲み物やデザートに対する需要が高まる一方で、温かい食事の売り上げが減少することがあります。
■運営上の困難:
- 食材の管理(高温による品質劣化): 高温環境では食材の品質が劣化しやすく、衛生管理が一層重要となります。特に、乳製品や生鮮食品の取り扱いには細心の注意が必要です。
- スタッフの健康管理(熱中症リスク): 長時間の屋外勤務はスタッフの健康リスクを高めます。適切な休憩や水分補給、日よけの確保が必要です。
- 機器の過熱問題: 調理機器や冷却装置の過熱は故障の原因となり、営業に支障をきたす可能性があります。機器のメンテナンスや冷却対策が求められます。
■競合(店舗)の増加:
- 夏季限定の屋台やポップアップストアとの競争: 夏祭りやイベントシーズンには、臨時の屋台やポップアップストアが増え、競争が激化します。これにより、売上確保が一層難しくなる場合があります。
キッチンカーの夏季の売上に関する具体的な統計データは公開されていませんが、多くのキッチンカー運営者は、夏の昼間(特に11時〜15時)の売上が他の季節に比べて減少する傾向があると報告しています。
これは主に、暑さによる食欲減退や、屋外での飲食を避ける傾向が影響していると考えられています。
実際に私が7月に出店した時のことを書いたXの投稿です。
週末は家族連れや広い年齢層でにぎわう豊洲公園ですが、
この日は「熱中症警戒アラート」もあり、ほとんど人がでていませんでした。
さらに、夏のイベントやフェスティバルでは、多くの飲食オプションが提供されるため、消費者が選択肢に迷い、特定のキッチンカーに集中しにくくなることも売上減少の一因です。
このような環境下で成功するためには、魅力的なメニューや独自のプロモーション戦略が重要となります。
課題を機会に変える|キッチンカー営業の魅力
しかし、これらの課題は適切な対策を講じることで、むしろ機会に変えることができます。
長い日照時間の活用:
イベントの開催時間を拡大(早朝や夕方まで)
時間帯別の特別メニューやイベントの実施
家族連れや観光客の需要:
夏休み中の家族向けイベントとの相性が良い
観光地での昼食需要の取り込み
屋外イベントとの相性:
音楽フェス、マルシェ、スポーツイベントなどとの連携
自然を楽しむピクニック風イベントの企画
イベント成功のための戦略
イベントを成功させるためには、綿密な計画と効果的な戦略が欠かせません。
特に、キッチンカーを利用するイベントでは、メニューの多様性や衛生管理、集客方法などを考慮する必要があります。
以下に、イベント成功のための具体的なポイントを紹介します。
◆キッチンカー選びのポイント
- 多様性: 異なるジャンルの料理を提供するキッチンカーを選び、来場者に多彩な選択肢を提供します。
- 実績: 夏のイベント経験が豊富な運営者を優先し、イベント運営のスムーズさを確保します。
- 衛生管理: 適切な衛生管理ができる設備を持つ車両を選定し、安全で安心な食事を提供します。
◆昼間に適した多様なメニュー提案
- 軽食: サラダ、フルーツ、冷製スープなど、軽くてさっぱりしたメニューを提供します。
- 冷たいデザート: かき氷、アイスクリーム、フローズンヨーグルトなど、暑さを和らげる冷たいデザートを用意します。
- 健康的オプション: スムージーやフレッシュジュースなど、健康志向のメニューも取り揃えます。
◆暑さ対策と快適な飲食スペースの設置
- 日よけ: 大型パラソルやテントを設置し、日陰を確保します。
- クールスポット: ミスト噴霧器や扇風機を配置し、涼しさを提供します。
- 座席: 快適な屋外家具を用意し、リラックスして食事ができるスペースを作ります。
◆SNSを活用した集客方法
- ハッシュタグキャンペーン: #イベント名夏祭りなどのハッシュタグを用いて、SNS上での認知度を高めます。
- インフルエンサー招待: 地元の有名人やフードブロガーを招待し、SNSでの拡散を図ります。
- リアルタイム投稿: イベント当日の様子を逐次投稿し、リアルタイムでの参加を促します。
イベントの成功には、事前の準備と効果的な戦略が不可欠です。
キッチンカーの多様性や衛生管理、メニューの工夫、暑さ対策、SNSの活用など、さまざまな要素を考慮することで、来場者にとって魅力的で快適な環境を提供できます。
これにより、参加者の満足度を高め、イベント全体の成功につなげることができます。
計画を綿密に立て、実行に移すことで、素晴らしいイベント体験を提供しましょう。
キッチンカー運営者との協力体制
Win-Winの関係構築
オープンなコミュニケーション:事前ミーティングの実施
フィードバックの共有:イベント後の振り返りセッション
インセンティブの設計
売上保証:最低売上の設定(例:1日5万円以上を保証)
出店料の柔軟な設定:売上に応じた変動制の導入
複数イベントでの優先出店権の付与
共同プロモーションの実施
SNS相互フォロー&投稿の実施
イベントポスターへのキッチンカー情報の掲載
キッチンカー側での事前イベント告知の協力
魅力的な昼間イベントの企画例
1,家族向けクッキングワークショップ
キッチンカーシェフによる簡単料理教室
子供向け食育プログラムの実施
2,地域特産品フードフェスティバル
地元の食材を使用したメニューコンテスト
生産者とのコラボレーションイベント
3,音楽×フードの融合イベント
アコースティックライブと軽食の提供
食事付きチケットの販売でキッチンカーの売上保証
まとめ
夏の昼間営業は確かに課題もありますが、適切な戦略と工夫次第で、魅力的なイベントに仕上げることができます
今回ご紹介したキーポイントは以下の通りです:
キッチンカー運営者との緊密な連携
暑さ対策と快適な環境作り
多様で魅力的なメニュー提供
効果的なプロモーション戦略
これらを実践することで、来場者、キッチンカー運営者、そしてイベント主催者の皆様にとって、満足度の高いイベントを実現できるはずです。
◆イベント主催者のためのステップ
・キッチンカーの選定と出店交渉
・イベントコンセプトとの整合性確認
・必要な許可・申請の確認
・電源・水の供給計画
・ゴミ処理・リサイクル計画
・暑さ対策設備の準備
・プロモーション計画の策定
・当日の運営体制の確立
・アンケート・フィードバックの準備
夏の暑さを味方につけ、思い出に残る素晴らしいイベントを作り上げてください。
キッチンカーとの協力は、そんなイベントを実現する強力な武器となるはずです。
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ここまで読んていただきありがとうございました。
普段は東京でキッチンカーを運営しつつ、
出店の様子について「 #キッチンカー日報 」というハッシュタグをつけて、Xでレポートを投稿しています。
その日感じた事や、チャレンジ、分析などを共有しています。
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