生パスタ麺の化学

美味しい生パスタ麺つくりについて、ちょっと見方を変えて、化学的な面から調べたのでご紹介します。生パスタのもちっとした食感は、どんな物質が要素となり、どのように形成されるか、気になります。

ただいろいろとググって調べてみても、これが正解だ!というWebページは全くありません。そこでいろいろと文献を漁った結果をまとめ、生パスタ麺つくりを理屈から方向付けようとしています。

結論からいうと、我々がボヤっとながら目標とするもっちりとした食感の生パスタ麺に必要なのは適切なグルテン量」「でんぷんの性質を生かす」この2点です。そしてここからが大切で、「適切なグルテン量」を形成させるためには、材料である小麦粉の種類/配合、生地の捏ね具合と休ませ具合、伸ばし具合、これがうまく調整されなければいけません。「でんぷんの性質を生かす」ためには茹での工程に注目する必要がありました。

つぼい家では、生パスタ麺作りが毎週日曜日の日課となっています。ちょっと前に「思い付き」で作ってみたらそれっぽくできたので、それからはまっています。小麦粉から、製麺機なしで取り組んでいます。ただ、やればやるほど理想が遠のくというか、、、皆さんがイメージする「もっちりな食感の生パスタ麺」はなかなかできません。材料や分量はいろいろと変えて試してみるんですが、茹でて食べるとボソッとした麺の食べ心地になってしまいます。。。

 

小麦粉に含まれるグルテンとは?

「グルテンとは?」まずここから始めましょう。

グルテンとは、小麦粉の中に含まれるタンパク質によって作られる、グリアジンとグルテニンが水を加えられた時に、グリアジンとグルテニンが混ざることで、グルテンが形成されます。グルテニンは抗張力が強く、ひっぱって伸ばすのに強い力が必要です。一方グリアジンは軟らかくべとべとしています。このグルテンという性質は、小麦粉特有のもので他の穀物にはないそうです。

グルテンの性質は、作ろうとしている食品の硬さと粘りに関係があります。生パスタなどの小麦粉を使った食品の性質を調整することができるのです。小麦粉に水を加えてこねる強さや頻度によって、グルテンが多く含まれてくるのです。

小麦粉の種類と必要性

◎小麦粉の種類については以前に記事にしていました。

この中から、もっちりした食感の生パスタ麺を作るのに必要な部分を抜き出します。

◎薄力粉の必要性
薄力粉には、タンパク質の成分が8.5%以下の軟質の小麦粉によって作られています。タンパク質を抑えることで、キメの細かい仕上がりになっています。料理はタンパク質やグルテンの含有量に合わせて「出来栄え」にも影響を与えています。

キメの細かい小麦粉が、料理の仕上がりの美味しさに繋がります。

◎強力粉の必要性
強力粉は、タンパク質の成分が12%以上の硬質の小麦粉(パンコムギ)によって作られています。グルテンの量が多くなるので、より粘り気が強くなります。

タンパク質の量が、もっちりとした食感の素となります。

でんぷんの性質とパスタの茹で加減

でんぷんの性質とパスタの茹で加減

小麦粉の中で70%以上含まれている一番多い成分、それがでんぷんです。でんぷんの特徴のひとつとして、その粘化現象があります。でんぷん粒はある温度で水を吸収してふくらみ始めます。加熱し続けると、でんぷん粒は更に膨潤を続け、吸水することにより体積は数倍にふくらみます。そして膨潤が極限に達すると、粒の崩壊が始まり、分散してしまいます。

麺を茹でるときをイメージします。麺を沸騰したお湯に入れると、麺は水を吸収して膨らみます。ただ、いつまでも茹でていると、麺はやわらかくなり、ボロボロと崩れていくことは容易に想像できますね。

ここで麺が水を吸収して膨らむときに麺の粘土も大きくなり、ある時ピークを迎えて、その後減少していきます。

実はこのでんぷんについての知識は、うどんを化学している記事で学びました。でんぷんの性質を考える事も、パスタのもっちり感に必要なのではないかと思っています。

具体的には麺の茹で加減です。生パスタ麺を茹でる時にはアルデンテを目指すことはありません。中心までしっかり茹であげます。茹で足りないと、でんぷんのふくらみが足りなくて、茹で過ぎはでんぷんの崩壊を招きます。

塩分濃度が高いと、食感が変わる?

茹でる工程について、もうひとつ生パスタ麺の仕上がりに影響を与えるのが麺を茹でるお湯の塩分濃度です。この塩分濃度は、さきほど書いたような茹でている途中のデンプンの変化に影響し、パスタの仕上がり/歯ごたえを変えるというのです。

パスタに含まれるデンプンは、熱湯を吸収すると糊化が起こって柔らかくなるが、デンプンは濃い塩水でゆでると、糊化がゆっくり進む。そのためパスタの芯までゆであがっても、デンプンがしっかりとした形で残っているため、はじけるような食感になると考えられる

参考:ためしてガッテン10月9日放送 次世代パスタ裏技まとめ

この塩分濃度は2.5%以上、それ以下の場合は仕上がりの食感には影響がありません。麺を茹でる際に塩をいれるならしっかり2.5%以上、何となく入れるだけなら入れないのと同じってことですね。

 

もっちりとした生パスタ麺をつくるために

生パスタ麺にグルテンは必要!

冒頭にも申したとおり、生パスタ麺にグルテンは必要です。ただ、どんな生パスタ麺を作ろうとしているかによって、適切なグルテン量というのは異なります。というのが、現段階でのつぼい家の答えです。

適切なグルテン量という書き方にも問題があるかもしれません。グルテンの量を計量しているわけではないから。。。一方で、適切なグルテン量がわかったとしても、家庭レベルで作った生パスタ麺のグルテン量を都度確認することもないでしょう。

でんぷんの性質を生かせ!

茹でたりないとでんぷんの糊化が進まず、逆に茹で過ぎはでんぷんの崩壊を招きます。パスタ麺を茹でる時の塩分濃度を2.5%以上にすることで、でんぷんの糊化をゆっくり進ませることができます。

再現性を出すためにする事

ここまで調べて、「おいしい生パスタ麺を作って、楽しむ」ためには、グルテンの成分量に関係性を見いだす必要があるということが分かっています。再現性のある作り方を見つけていく、そのためには次のことについて試していくべきと思っています。

・小麦粉の配合
・材料を混ぜた後の練り時間と寝かせる時間
・(寝かせた後)2回目の練り方と練り時間
・麺の厚さ/太さ
・茹で時間/茹でる時の塩分濃度

 

まとめ

いかがでしたか?理屈についてはある程度理解でしました。あとは目標のもちっとした食感にたどり着き、再現性を出すための試行錯誤を繰り返すのみかな…と。笑。手打ちのおいしい生パスタ麺ができた時にはまたお知らせします。

では!

 

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